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古今和歌集の部屋
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巻十五
題しらず
読人知らず
754
花がたみ 目ならぶ人の あまたあれば 忘られぬらむ 数ならぬ身は
花がたみ ・・・ 花を入れる竹かご (花筐)
目ならぶ ・・・ 見て比べる
花かごの中にいろいろと花があるのを選ぶように、選べる相手がたくさんいるので、忘れられてしまったのでしょう、物の数にも入らない私は
、という歌。 "目ならぶ" には 「目の前に並べて比べる」という意味があるようであり、この 「目」を導くために、竹かごの網目つながりで "花がたみ" と置かれているようである。
似たような譬えを持つ歌としては、
506番
の「葦垣の
まぢかけれども
あふよしのなき」という読人知らずの歌や、
758番
の「塩やき衣 をさをあらみ
まどほにあれや
君がきまさぬ」という読人知らずの歌が思い出される。
( 2001/11/27 )
(改 2004/01/16 )
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