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       題しらず 読人知らず  
754   
   花がたみ  目ならぶ人の  あまたあれば  忘られぬらむ  数ならぬ身は
          
     
  • 花がたみ ・・・ 花を入れる竹かご (花筐)
  • 目ならぶ ・・・ 見て比べる
  
花かごの中にいろいろと花があるのを選ぶように、選べる相手がたくさんいるので、忘れられてしまったのでしょう、物の数にも入らない私は、という歌。 "目ならぶ" には 「目の前に並べて比べる」という意味があるようであり、この 「目」を導くために、竹かごの網目つながりで "花がたみ" と置かれているようである。

  似たような譬えを持つ歌としては、506番の「葦垣の まぢかけれども あふよしのなき」という読人知らずの歌や、758番の「塩やき衣 をさをあらみ まどほにあれや 君がきまさぬ」という読人知らずの歌が思い出される。

 
( 2001/11/27 )   
(改 2004/01/16 )   
 
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