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       題しらず 読人知らず  
865   
   うれしきを  何につつまむ  唐衣  袂ゆたかに  たてと言はましを
          
        うれしい気持ちを何に包もうか、袂をもっと豊かに裁っておくようにと言っておけばよかった、という歌。一つ前の 864番の「唐錦−たつ」と「唐衣−たつ」で似た感じの歌として並べて置かれている。

  袖の下というと賄賂のイメージがあるが、ここでは物を貰うということではなく、この楽しい気分をそのまま持ち帰りたいということであろう。ただ、「うれし」は 「かたじけない」というニュアンスで使われることもある。 「うれし」という言葉を使った歌の一覧については 709番の歌のページを参照。 
425番の忠岑の「より はなれて玉を つつまめや」という歌も思い出される。

 「唐衣」を使った歌の一覧は 572番の歌のページを参照。また、"言はましを" の 「まし」は反実仮想の助動詞で、「ましを」という言葉を使った歌の一覧は 236番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/06 )   
(改 2004/03/07 )   
 
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