大納言藤原の国経の朝臣の、宰相より中納言になりける時、そめぬうへのきぬのあやをおくるとてよめる | 近院右大臣 | |||
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詞書の意味は「藤原国経が宰相(=参議)から中納言になった時に、彼にまだ染めていない袍の綾(=綾織の上等の絹)の生地を贈るということで詠んだ」歌ということ。 638番に歌が一首ある藤原国経は、 894年一月に従三位、同年五月に権中納言になった。その時、六十八歳。当時、近院右大臣(=源能有)は五十歳で正三位。能有自身が中納言になったのは 882年、三十八歳の時である。ちなみに国経は 908年まで生きたが、能有は 897年に没した。 歌の意味は、これには色がないとあなたは見るでしょうか、実際には昔から深く思う気持ちで染めてあるのですが、ということ。わざわざこれを言いたいがために 「そめぬうへのきぬのあや」を贈ったという感じでもある。 |
( 2001/12/05 ) (改 2004/03/02 ) |
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