いそのかみのなむまつが宮づかへもせで、石上といふ所にこもり侍りけるを、 にはかにかうぶりたまはりければ、よろこびいひつかはすとてよみてつかはしける |
布留今道 | |||
870 |
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詞書の意味は 「石上並松(いそのかみのなむまつ)という人物が宮仕えをせずに石上にこもっていたところ、急に位階を賜ったので、その祝いを伝える時に詠んでおくった」歌ということ。 「かうぶりたまる」とは従五位下に叙せられること。「よろこび」は官位の昇進(の祝い)のこと。契沖「古今余材抄」によれば、従七位上だった石上並松が従五位下になったのは 886年一月、という記述が 「三代実録」にあるそうである。当時の天皇は光孝天皇。 歌の意味は、日の光が籔も区別することなく照らすように、あまねく照らすお恵みにより、石上の古い里にも花が咲いた、ということ。次の藤原関雄の歌もその詞書から「日の光」で指していることは同じであるが、内容は不遇を嘆くものとなっており、秋歌下に分類されている。 |
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また、「いそのかみ−ふる」という言葉のつながりは、「石上−布留」という地名つながりと、石上に安康天皇・仁賢天皇の古い都があったことから 「石上−古」というつながりがあり、以下の四つの歌でも使われている。 |
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これを 「いそのかみ」という言葉を使った一覧としてまとめ直しておくと次の通り。 |
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「古る」という動詞を使った歌の一覧については 248番の歌のページを参照。 |
( 2001/10/11 ) (改 2004/02/25 ) |
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