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古今和歌集の部屋
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巻十九
あす春立たむとしける日、となりの家のかたより風の雪をふきこしけるを見て、そのとなりへよみてつかはしける
清原深養父
1021
冬ながら 春のとなりの 近ければ 中垣よりぞ 花は散りける
中垣 ・・・ 隣の家との境に作った垣根
詞書の内容は「立春の前日、隣の家の方から垣根を越して風が雪を運んできたのを見て、その隣の家に詠んでおくった」歌ということ。
冬ではありますが、春が近いので、その境を越えて花が散り掛かってきたのでしょう
、という歌。
一応、自分の家を冬、隣の家を春に見立てて、立春の日を 「中垣」をその境としたものだろうが、いかにも 「シャレたことを言うでしょう」という感じのする嫌味な歌である。隣に送った歌ということでは、
167番
の「妹と我が寝る 常夏の花」という躬恒の歌が思い出される。
( 2001/11/15 )
(改 2004/02/15 )
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