巻二 |
0129 |
花散れる 水のまにまに とめくれば 山には春も なくなりにけり |
春歌下 |
巻三 |
0166 |
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ |
夏歌 |
巻五 |
0300 |
神なびの 山をすぎ行く 秋なれば 竜田川にぞ ぬさはたむくる |
秋歌下 |
巻六 |
0330 |
冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ |
冬歌 |
巻八 |
0378 |
雲ゐにも かよふ心の おくれねば わかると人に 見ゆばかりなり |
離別歌 |
巻十 |
0429 |
あふからも ものはなほこそ かなしけれ 別れむことを かねて思へば |
物名 |
巻十 |
0449 |
うばたまの 夢になにかは なぐさまむ うつつにだにも あかぬ心を |
物名 |
巻十二 |
0581 |
虫のごと 声にたてては なかねども 涙のみこそ 下に流るれ |
恋歌二 |
巻十二 |
0585 |
人を思ふ 心は雁に あらねども 雲ゐにのみも なき渡るかな |
恋歌二 |
巻十二 |
0603 |
恋ひ死なば たが名はたたじ 世の中の 常なきものと 言ひはなすとも |
恋歌二 |
巻十二 |
0613 |
今ははや 恋ひ死なましを あひ見むと たのめしことぞ 命なりける |
恋歌二 |
巻十三 |
0665 |
みつ潮の 流れひるまを あひがたみ みるめのうらに よるをこそ待て |
恋歌三 |
巻十四 |
0685 |
心をぞ わりなきものと 思ひぬる 見るものからや 恋しかるべき |
恋歌四 |
巻十四 |
0698 |
恋しとは たが名づけけむ ことならむ 死ぬとぞただに 言ふべかりける |
恋歌四 |
巻十八 |
0967 |
光なき 谷には春も よそなれば 咲きてとく散る 物思ひもなし |
雑歌下 |
巻十九 |
1021 |
冬ながら 春のとなりの 近ければ 中垣よりぞ 花は散りける |
雑体 |
巻十九 |
1042 |
思ひけむ 人をぞ共に 思はまし まさしやむくい なかりけりやは |
雑体 |