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- やかた ・・・ 仮の宿所
- あれ ・・・ 自分 (吾)
- 朝け ・・・ 夜明け方 (朝明)
詞書の 「みづくきぶり」の 「ぶり」とは 「曲/調べ/風」ということで、楽曲+歌詞を表すために、その歌詞の先頭や、詠われている地名などをとって識別名としていたものと思われる。
歌の意味は、「水くきの岡」の仮屋で二人が寝た時、明け方に見たあの霜の白さよ、ということ。歌の中では特に霜の「白さ」については触れられていないが、共寝の翌朝の情景として、嫌な寒さではなく、印象に残る寒さということで 332番の「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに」という坂上是則の歌のような状況と見てみたい。
「水くきの岡」は「古今和歌集全評釈(下)」 (1998 片桐洋一 講談社 ISBN4-06-208753-7) によれば、現在の福岡県遠賀(おんが)郡にある遠賀川の河口あたり。この 「水くきの岡」を使った歌は万葉集に四首あるが、万葉集・巻六968には 「水くきの水城の上の」という表現があり、そこでは 「水くきの」が枕詞として使われているようである(「水城(みづき)」は大宰府を守るための堤)。 「はも」は詠嘆を表す連語で、478番の忠岑の歌と 891番の読人知らずの歌でも使われている。
「〜ぶり」という詞書を持つ歌には、次の 「近江ぶり」と 「しはつ山ぶり」の歌がある。
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