題しらず | 読人知らず | |||
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「色が変わる」というのは、当時の桜が主に白色だとすれば、霞によって変わる色とは、光の変化であろう。太陽を浴びて眩しく輝く桜=花の盛りが、霞によってぼやけてゆくことを指しているものと思われる。その点が 「色のちぐさに 見えつるは」詠う 102番の興風の歌との違いである。 「春霞−桜」という典型的な組み合わせを使いながら、「霞がかかる→花が隠れる→その姿が消える→花が終わろうとしている」という流れを作って、桜の盛りの終わりを予感させる時期を詠み込んだのがこの歌の特徴である。同じ道具立てをサブに回している 58番の貫之の歌(「立ち隠すらむ 山の桜を」)と合わせて見たい。 一方で、恋歌四にある友則の次の歌は、この歌と前半がまったく同じだが、そこでの 「春霞−桜」はこの歌と比べてかなり意味が軽い。 |
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さらに 「春霞−たなびく」ということでは次のような興風の誹諧歌もある。 |
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「春霞」を詠った歌の一覧は 210番の歌のページを参照。 |
( 2001/12/06 ) (改 2009/08/12 ) |
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