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詞書の意味は、「(清涼殿の)詰所で殿上人たちが酒を賜っている時に、(躬恒を)召して、ホトトギスを待つ歌を詠め、と言葉があった(=言われた)ので詠んだ」ということ。
歌の意味は、ホトトギスの声もまだ聞こえない、こんな時には山彦は他で鳴いている声を返してくれないだろうか、ということで、山彦が響くということで前の 160番の貫之の歌と並べて置かれているものか。また、歌の作成時期の前後はわからないが、この歌は 362番の「よそのもみぢを 風ぞかしける」という藤原定国の四十の賀の屏風絵の歌のホトトギス・バージョンであるとも言える。
この歌は詞書の効果もあって、"声も聞こえず" は 「ほととぎす待つうたよめ」と偉そうに言っている人の 「声」であり、後半の "答へやはせぬ" は 「自分は知らないよ、誰か代わりに答えてやれよ」と言っているようにも見えなくもないが、恐らくそういう意図はないだろう。ただこの歌が 「ほととぎす待つうた」というリクエストから漠然と予想されるものでないのは確かであり、人の耳を驚かすという点で、切れのある歌ということができる。
「やは」を使った歌の一覧については 106番の歌のページを参照。
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