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- 月の桂 ・・・ 月の中にあると言われる桂の木 (言い伝え)
「つきのカツラノ ミヤはなる」という部分に題が詠み込まれているが、「かつらのみや(桂の宮)」と 「桂」の意味がだぶっている。 「かつらのみや(桂の宮)」は、宇多上皇の皇女である孚子内親王の住まいを指すとされ、その場所は西洞院六条、現在の京都府下京区天使突抜四丁目あたり。古今和歌集の配列でいうと、それまでの地名シリーズから急にスポットになったような感じがあるが、続く歌は「百和香」となっているので、そこへのつなぎとも考えられる。
源恵(みなもとのほどこす)は 「源忠」とも書かれる。生年不詳、931年没。 908年従五位下、915年従五位上、926年正五位下。古今和歌集にはこの歌しか採られていない。
歌の意味は、秋になれば月の桂も実が生るのだろうか、光を花のように散らしているばかりに見えるが、ということ。前半は反語で 「実は生らないだろう」というニュアンスがあり、その理由を後半で「なぜならいつまでも光を花のように散らしているから」と説明している。実質的には月の光の美しさを誉めている歌と見てよいだろう。 「やは」を使った歌の一覧については 106番の歌のページを参照。 「月の桂と月光」という歌としては、秋歌上に次のような忠岑の歌もある。
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