寛平の御時きさいの宮の歌合せのうた | 大江千里 | |||
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大江千里は生没年不詳。901年中務少丞、902年兵部少丞、903年兵部大丞。少丞(しょうじょう)は従六位上相当。古今和歌集にはこの歌を含めて十首が採られている。 歌の内容は文字通りで、ウグイスが谷から出てくる声がなければ、春が来ることを誰が知ろうか、という春告鳥としてのウグイスを詠んだものである。歌の趣旨は 11番の壬生忠岑の歌と似ている。 一見、面白味のない歌のようだが、秋歌下にある 302番の坂上是則の「水の秋をば 誰か知らまし」という竜田川の歌と並べてみると、「春」としての輝きを放つという不思議な歌である。 "声なくは" の 「は」は仮定を表す係助詞の 「は」であり、「なくは」というかたちで使われている歌を一覧にすると次の通り。 |
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ちなみに 「なく」は 「な+く」で、打消しの助動詞「ず」の未然形+準体助詞「く」ということである。反実仮想の助動詞「まし」が使われている歌の一覧は 46番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/15 ) (改 2004/02/26 ) |
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