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       題しらず 読人知らず  
516   
   よひよひに  枕さだめむ  方もなし  いかに寝し夜か  夢に見えけむ
          
     
  • よひよひ ・・・ 毎晩 (宵々)
  
夜ごとに、枕を置く向きも定まらない、どの方角に向けた時にあの人が夢に現れたのだろうか、という歌。占いとしてよい方角を気にしていることはもちろんあるだろうが、夢の中で相手が訪れてくれる方を向いていないと、せっかく来てくれても行き違いになってしまうのではないか、という気持ちもあるようである。そう考えると、この歌の 「枕」は、まるで恋の迎撃ミサイルのように見える。

  "よひよひ" という言葉を使った歌としては、632番の業平の「よひよひごとに うちも寝ななむ」という歌の他に、恋歌二に次の友則の歌がある。

 
593   
   よひよひに   脱ぎて我が寝る  かり衣  かけて思はぬ  時の間もなし
     
        「方」という言葉を使った歌の一覧は 201番の歌ページを参照。

 
( 2001/10/25 )   
(改 2004/01/04 )   
 
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