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       題しらず 読人知らず  
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   人を思ふ  心は我に  あらねばや  身の惑ふだに  知られざるらむ
          
        人を恋しく思う心はもう自分ではないようで、身体の方が惑うことさえ感知しないのでしょう、という歌。 「身が惑う」というのは抽象的であるが、心が身体の制御ができなくなった状態を指しているのだろう。それを "知られざるらむ" と外側から見ている自分がいる、という歌のようにもとれる。

  「人を思ふ心」という言葉を持つ他の歌としては、 585番に「人を思ふ 心は雁に あらねども」、783番に「人を思ふ 心の木の葉に あらばこそ」という歌がある。 「だに」という言葉を使った歌の一覧は 48番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/27 )   
(改 2004/03/07 )   
 
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