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       題しらず 紀友則  
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   東ぢの  小夜の中山  なかなかに  なにしか人を  思ひそめけむ
          
     
  • なかなかに ・・・ 中途半端に
  • なにしか ・・・ どういうわけで
  "小夜の中山" は現在の静岡県掛川市にある峠の名前。 1097番の 「かひうた」(甲斐歌)にも 
「横ほりふせる 小夜の中山」とある。

  歌の意味は、
どうして中途半端にあの人を恋しく思いはじめたのだろう、ということで、「中山」から "なかなかに" を導き出しているシンプルな駄洒落の恋歌だが、「なか」が三つもあるのでそれなりの面白さが出ていると言えよう。また、万葉集・巻四750に次のような歌があり、それをホップとするなら、この歌がステップで、679番の貫之の「ふるのなか道 なかなかに」という歌がジャンプという感じか。

    思ひ絶え  わびにしものを  なかなかに 何か苦しく 相見そめけむ

  「思ひそむ」という言葉を使った歌の一覧は 471番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/11 )   
(改 2004/01/04 )   
 
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