やまひして弱くなりにける時よめる | 在原業平 | |||
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最後には皆行く道と聞いてはいたが、昨日今日にも行くかとは思わなかった、という歌。 業平の没年は 880年五月で、時に五十六歳。この歌は "昨日今日" と言い、まるで旅支度をしているかのようである。一つ前の藤原惟幹(これもと)の次の歌と比べてみると、 "思はざりしを" という表現が目立って見える。 |
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危篤状態から少し持ち直して、「もうダメかと思ったよ」とは言わずに、「思った」ということを「思わなかった」と表現しているところに、最後まで業平らしさが見られるようにも思われる。 「つひに」という言葉を使った歌の一覧は 707番の歌のページを、「かねて(予ねて)」という言葉を使った歌の一覧は 253番の歌のページを参照。 "聞きしかど" の 「しか」は過去を表す助動詞「き」の已然形で、この 「しか」を使った歌の一覧は 172番の歌のページを参照。 |
( 2001/07/10 ) (改 2004/03/09 ) |
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