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       題しらず 読人知らず  
906   
   住吉の  岸の姫松  人ならば  幾世かへしと  問はましものを
          
     
  • 姫松 ・・・ 小さな松
  
住吉の岸にある姫松がもし人ならば、どれだけの時代を生きてきたのかと尋ねるものを、という文字通りの歌である。イメージとしては 「姫松」が小さな老婆を思わせるようなところもある。

  "問はましものを" の 「まし」は反実仮想の助動詞「まし」の連体形。 「〜ましものを」という言葉を使った歌の一覧については、125番の歌のページを参照。また、この歌は 1012番の素性法師の歌の 「問へど答へず くちなしにして」というフレーズを思い出させる。他に "人ならば" という直接的なもの言いをしている歌としては、次の 「みちのくのうた」がある。

 
1090   
   をぐろさき  みつの小島の  人ならば   みやこのつとに  いざと言はましを
     
        「住吉(および住の江)」を詠った歌の一覧は 360番の歌のページを参照。また、「幾世」という言葉を使った歌の一覧については 905番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/06 )   
(改 2004/02/09 )   
 
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