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古今和歌集の部屋
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巻十八
題しらず
小野篁
936
しかりとて そむかれなくに ことしあれば まづなげかれぬ あなう世の中
しかりとて ・・・ そのようだからといって (然りとて)
ことしあれば ・・・ 何か事があれば
あなう ・・・ ああ、嫌な (あな憂)
だからと言って、世にそむくわけにもいかないが、何かあればまず嘆きが先にたつ、ああ憂鬱な世の中だ
、という歌。漠然とした歌だが、「そむく・事しあれば・嘆く」といった言葉が作者が遣唐使をボイコットした小野篁のイメージと重なるようなところもある。この歌の結び方は、恋歌五の最後の読人知らずの次の歌を思わせる。
828
流れては 妹背の山の なかに落つる 吉野の川の
よしや世の中
"そむかれなくに" という言葉で使われている逆接の 「なくに」については、
19番
の歌のページを参照。また、「あな憂」の 「あな」という感嘆詞が使われている歌の一覧については
426番
の歌のページを参照。
( 2001/11/14 )
(改 2004/02/13 )
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