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- 呉竹 ・・・ 中国産の竹。ハチクまたはマダケを指す。
- 天彦 ・・・ 山彦・こだまのことで「音」にかかる枕詞
- 五月雨 ・・・ 陰暦五月頃に降り続く雨
- とどろ ・・・ 音が響き渡る様子
- しぐれて ・・・ (時雨が)降って
- はだれに ・・・ 斑に
- 消えかへり ・・・ すっかり消えて
- 時につけつつ ・・・ 折々に
- おれる ・・・ 織る
- すべらぎ ・・・ 天皇
- まきまきの ・・・ 何巻もの
- しほ貝 ・・・ 海中の貝 (潮貝)
- 玉の緒 ・・・ 珠をつなぐ紐
- 思ひあへず ・・・ 充分に考えが及ばない
- 大宮 ・・・ 皇居
- 板間あらみ ・・・ 屋根の板が荒れてすき間ができてしまっているため
詞書にある「目録」とは、題名などを集めて記載したもので、この歌はそれに付けて提出したということであろう。「古今和歌集全評釈(下)」 (1998 片桐洋一 講談社 ISBN4-06-208753-7) では「その長歌」とある「そ」は「序」の誤記ではないか、と述べられている。
歌の内容は、収められている歌の内容の記述が続いた後、どれだけ自分が苦労したかという話で締め括っている。その後半の部分、「八千草の」以降のだけを抜き出してみると次のようなことを言っている。
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様々な言葉ごとに、かたじけなくも仰せつかったことを胸に、何巻もの中に選び尽くそうと、 伊勢の海の貝を拾って取るように歌を集めてゆきましたが、 なにぶん玉の緒のように短く足らない自分の力では思うにまかせず、 それでも長い間、宮中に詰めて夜昼分かずに勤めましたのがこの結果でありますが、 結局のところ、その作業に追われて、かえりみもしなかった自分の家では ノキシノブの生えた板屋根が隙間を広げ、降る春雨が漏れてはまいか、と思うにつけて、 同じような心配を、今この出来上りに、している次第でございます |
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"我が宿の しのぶ草おふる 板間あらみ ふる春雨の もりやしぬらむ という終わり方がどことなくショボイ感じもするが、こうしたことも一つの型であり、自分がいかに低い地位にいて、それが不適切なのではなかろうか、ということをアピールをする必要もあったのであろう。前半の、歌の紹介をしていると思われる部分をまとめてみると次のようになる。
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