Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻十九

       題しらず 読人知らず  
1018   
   秋霧の  晴れて曇れば  女郎花  花の姿ぞ  見え隠れする
          
        秋霧が晴れて曇れば、オミナエシの花の姿が見え隠れする、という歌。現代から見れば、この歌のポイントは "晴れて曇れば" という言葉の語感の面白さにあるが、古今和歌集の撰者たちが、どういう基準でこれを誹諧歌としたのかはよくわからない。一般的には、「姿」という普通は人にしか使わない言葉をオミナエシに使っているということが一つの理由として考えられているようである。

  1016番から次の歌までの、誹諧歌の中に集められているオミナエシのイメージは、秋の野辺にいて艶っぽく衣を翻している女(たち)ということなので、この歌でも 「かくれんぼ」をしてふざけているという感じか。

 
1019   
   花と見て  折らむとすれば  女郎花   うたたあるさまの  名にこそありけれ
     
        「秋霧」を詠った歌の一覧は 210番の歌のページを参照。

 
( 2001/09/07 )   
(改 2004/02/26 )   
 
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