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       題しらず 読人知らず  
1019   
   花と見て  折らむとすれば  女郎花  うたたあるさまの  名にこそありけれ
          
     
  • うたた ・・・ 一層/はなはだしい
  
花と見て折ろうとすればオミナエシは、思った以上にくねくねしていて、まさにその名の通りであった、という歌。 "うたたあるさま" という部分が漠然としすぎていて意味がとりづらい。

  「うたた」は 796番の「心こそ うたてにくけれ」という歌などに出てくる 「うたて」と同源の言葉であると言われている。 「うたて」という言葉を使った歌の一覧は 47番の歌のページを参照。 「花と見て折ろうとする」ということでは次の伊勢の歌が連想される。

 
43   
    春ごとに  流るる川を  花と見て   折られぬ水に  袖や濡れなむ
     
        「名にこそありけれ」という言葉を使った歌の一覧については 382番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/27 )   
(改 2004/02/13 )   
 
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