題しらず | 読人知らず | |||
146 |
|
ホトトギスの鳴く声を聞けば、別れてきた古里さえ、恋しく思われる、という歌。 この歌の中で目立つ言葉は " 別れにし" と "ふるさとさへぞ" の 「さへ」である。 " 別れにし" は最後の "恋しかりける" を伴って 「人との別れ」を思わせ、それに 「さへ」が加わることにより、別れた人(々)が恋しくなるのはもちろんのこと、その場所までもが恋しい、という感じにも見てとれる。あるいは、もう縁が切れた場所や人(々)だけれども、ホトトギスの声を聞くと何故か恋しく思い出される、という感じか。さらに想像を進めれば、「別れ」は死別であり、すでに亡くなってしまった人(々)との暮らしが懐かしく思い出される、というようにもとれる。 「さへぞ」という言葉を使った歌には次のようなものがある。 |
|
「さへ」を使った歌の一覧については 122番の歌のページを参照。 また、「ふるさと−ホトトギス」を詠ったものとしては、次の忠岑の歌もある。遠くから過去を思うこの歌に対して、忠岑の歌は "ふるさと" の中に身を置いての歌である。 |
163 |
|
|||||||
「恋しかりける」という表現を使った歌の一覧は 991番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/22 ) (改 2004/02/23 ) |
前歌 戻る 次歌 |