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古今和歌集の部屋
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巻四
題しらず
読人知らず
188
ひとり寝る 床は草葉に あらねども 秋くる宵は 露けかりけり
宵 ・・・ 夜に入ってまだ間もない時間帯
ひとり寝の床は草でもないのに秋になると、宵の時分に露に湿る
、という歌。ひとり寝の寂しさに涙に濡れる、ということを草の上の露に譬えているものだが、 "秋くる宵" という短い言葉の中に、一日の時間の流れと季節の移り変わりを込めている点が目を引く。
涙で濡れることを 「露けし」といっている歌には、
369番
の紀利貞の「夜やふけぬらむ 袖の露けき」という離別歌があり、「ひとり寝」を詠った歌には次のようなものがある。
188番
ひとり寝る
床は草葉に あらねども
読人知らず
220番
ひとり
ある人の
いねがて
にする
読人知らず
563番
笹の葉に 置く霜よりも
ひとり寝る
紀友則
582番
鳴く鹿に 我おとらめや
ひとり寝る
夜は
読人知らず
1047番
笹の葉の さやぐ霜夜を
我が
ひとり寝る
読人知らず
( 2001/11/15 )
(改 2004/02/18 )
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