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       題しらず 読人知らず  
188   
   ひとり寝る  床は草葉に  あらねども  秋くる宵は  露けかりけり
          
     
  • 宵 ・・・ 夜に入ってまだ間もない時間帯
  
ひとり寝の床は草でもないのに秋になると、宵の時分に露に湿る、という歌。ひとり寝の寂しさに涙に濡れる、ということを草の上の露に譬えているものだが、 "秋くる宵" という短い言葉の中に、一日の時間の流れと季節の移り変わりを込めている点が目を引く。

  涙で濡れることを 「露けし」といっている歌には、369番の紀利貞の「夜やふけぬらむ 袖の露けき」という離別歌があり、「ひとり寝」を詠った歌には次のようなものがある。

 
     
188番    ひとり寝る  床は草葉に あらねども  読人知らず
220番    ひとりある人の  いねがてにする  読人知らず
563番    笹の葉に 置く霜よりも  ひとり寝る  紀友則
582番    鳴く鹿に 我おとらめや  ひとり寝る夜は  読人知らず
1047番    笹の葉の さやぐ霜夜を  我がひとり寝る  読人知らず


 
( 2001/11/15 )   
(改 2004/02/18 )   
 
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