題しらず | 読人知らず | |||
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家思ふと いを寝ず居れば 鶴(たづ)が鳴く 葦辺も見えず 春の霞に はじめの 「寝(い)」は眠るということを表す名詞。次の 「寝(ね)」は、横になるという意味の下二段活用の一語の動詞「寝(ぬ)」。この歌では打消の助動詞「ず」の連体形の 「ぬ」がついて未然形の「寝(ね)」となり、"いを寝ぬ" は 「イヲネヌ」と読む。また、「寝ぬ」(いぬ)という下二段活用の動詞もあり、これは 「いを寝」が変形したものと考えられ、どちらも意味としては、横になって眠るということである。これらが使われている歌をまとめておくと次の通り。 |
名詞 「寝(い)」+動詞 「寝(ぬ)」 | ||||||||||||
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動詞 「寝ぬ(いぬ)」 | ||||||||||||
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ちなみに、803番の兼芸法師の「秋の田の いねてふことも」という歌は 「稲」に 「往ね(=向こうに行きなさい)」を掛けてあって、「寝(い)ぬ」ではない。 この歌の "我やいを寝ぬ 人や忘るる" に似た言葉遣いの歌としては、377番の読人知らずの離別歌に「我や忘るる 人やとはぬと」というものがある。 「あふことかたし」と言っている歌の一覧については 765番の歌のページを参照。 |
( 2001/10/02 ) (改 2004/02/15 ) |
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