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       北山に僧正遍照とたけがりにまかれりけるによめる 素性法師  
309   
   もみぢ葉は  袖にこき入れて  もていでなむ  秋はかぎりと  見む人のため
          
     
  • こき入れて ・・・ 振るい落として入れて
  詞書にある「たけがり」とは、「茸狩り」でキノコ狩りのこと。

  
この紅葉は袖に入れて持ち帰りましょう、秋は終りと一緒に見たい人のために、という歌。採ったキノコは籠に、紅葉は袖にということか。

  「たけがり」ということから食事が連想され、そうすると歌の中の "人" はそれを調理する近しい女性、つまり素性の母か、身の回りを世話する老婆などであるように思われる。採れたキノコを渡す時に、袖から紅葉を散らして 「ほら、これが秋の終わりの落ち葉ですよ」と見せるイメージで詠われたものではないだろうか。

  「こき入れて」の 「こく (扱く)」という言葉を使った歌の一覧は 56番の歌のページを参照。また、「かぎり」という言葉を使った歌の一覧は 187番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/20 )   
(改 2004/02/03 )   
 
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