仁和のみかどの、みこにおはしましける時に、御をばの八十の賀にしろがねを杖につくれりけるを見て、かの御をばにかはりてよみける | 僧正遍照 | |||
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本居宣長は「古今和歌集遠鏡」で、「をば(小母)」は 「おば(大母=祖母)」の仮名の書き間違いではないだろうか、と言っている(「御をばは御祖母なるべしおの仮字を書べき也」)。光孝天皇の父方の祖母(=仁明天皇の母)は橘嘉智子(786-850)で没年六十五歳なので、祖母の可能性があるとすると母方の祖母(=藤原沢子の母)の藤原数子(生没年不詳)か。 歌の意味は、この杖は神様が切り出したものでしょうか、ついて歩けばたちまち千歳の坂さえ越えられるに違いありません、ということ。 「しろがねの杖」ということでは 「竹取物語」でかぐや姫が車持皇子に 「東の海に蓬莱といふ山あなり。それに白銀を根とし、黄金を茎とし、白玉を実として立てる木あり。それ一枝折りて給はらむ」と言ったという話が連想される。 "つくからに" は、それを持てばたちまち元気が沸き起こり...というニュアンスか。 「からに」という言葉を使った歌の一覧は 249番の歌のページを参照。 「ちはやぶる」という枕詞を使った歌の一覧については 254番の歌のページを、「べらなり」という言葉を使った歌の一覧については 23番の歌のページを参照。 |
( 2001/12/07 ) (改 2004/03/08 ) |
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