巻一 |
0027 |
浅緑 糸よりかけて 白露を 珠にもぬける 春の柳か |
春歌上 |
巻二 |
0119 |
よそに見て かへらむ人に 藤の花 はひまつはれよ 枝は折るとも |
春歌下 |
巻三 |
0165 |
はちす葉の にごりにしまぬ 心もて 何かは露を 珠とあざむく |
夏歌 |
巻四 |
0226 |
名にめでて 折れるばかりぞ 女郎花 我おちにきと 人にかたるな |
秋歌上 |
巻四 |
0248 |
里は荒れて 人はふりにし 宿なれや 庭もまがきも 秋の野らなる |
秋歌上 |
巻五 |
0292 |
わび人の わきて立ち寄る 木のもとは たのむかげなく もみぢ散りけり |
秋歌下 |
巻七 |
0348 |
ちはやぶる 神や切りけむ つくからに 千歳の坂も 越えぬべらなり |
賀歌 |
巻八 |
0392 |
夕暮れの まがきは山と 見えななむ 夜は越えじと 宿りとるべく |
離別歌 |
巻八 |
0394 |
山風に 桜吹きまき 乱れなむ 花のまぎれに 君とまるべく |
離別歌 |
巻十 |
0435 |
散りぬれば のちはあくたに なる花を 思ひ知らずも 惑ふてふかな |
物名 |
巻十五 |
0770 |
我が宿は 道もなきまで 荒れにけり つれなき人を 待つとせしまに |
恋歌五 |
巻十五 |
0771 |
今こむと 言ひて別れし あしたより 思ひくらしの 音をのみぞ鳴く |
恋歌五 |
巻十六 |
0847 |
みな人は 花の衣に なりぬなり 苔の袂よ 乾きだにせよ |
哀傷歌 |
巻十九 |
1016 |
秋の野に なまめきたてる 女郎花 あなかしかまし 花もひと時 |
雑体 |