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       人を別れける時によみける 紀貫之  
381   
   別れてふ  ことは色にも  あらなくに  心にしみて  わびしかるらむ
          
        別れということは色でもないのに、心に染みて辛いものだな、という歌。

  「色が染み込む」ということと 「心にしみる」ということを合わせたシンプルな歌で、貫之らしくない歌という感じもするが、「色ではないけれど」と言いつつ、どこか 572番の「胸のあたりは 色もえなまし」という歌を思い出させるところもある。

  "別れてふ" の 「〜てふ」という表現を持った歌の一覧は 36番の歌のページを参照。また、「あらなくに」という言葉を使った歌の一覧については 186番の歌のページを、「わびし」という言葉を使った歌の一覧は 8番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/21 )   
(改 2004/03/10 )   
 
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