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ウグイスとホトトギスの関係について知るには、「郭公 カッコウ −日本の托卵鳥−」 吉野俊幸 (1999 文一総合出版 ISBN 4-8299-1164-6) という写真集がわかりやすい。
ホトトギスのメスは、ウグイスが巣を離れる隙を狙って、その中の卵を一つ取り出し、代わりに自分の卵を一つ生む。卵の色はどちらも斑のない茶色なので、見た目には同じように見える。この時点では複数のウグイスの卵の中にホトトギスの卵が混じっている状態である。
ホトトギスの卵はウグイスの卵より先に孵化し、生まれたヒナはすぐに同じ巣にある他の卵を背中で押して外にはじき出す。こうしてウグイスの巣の中には、一羽のホトトギスのヒナだけが残ることになる。親のウグイスは本能でそのホトトギスのヒナに餌を与えつづけ、それが羽化してホトトギスの姿になっても、それが巣立ちして自分から出てゆくまで(恐らく何かおかしいなと思いながらも)世話をする。ウグイスが自分より大きくなったホトトギスに餌づけをしている姿は不思議なものである。
もちろんこの托卵が必ず成功するわけではなく、感のいいウグイスに見破られて、卵を処理されてしまうこともある。またホトトギスはウグイス以外の鳥にも托卵することがある。いずれにせよ、別種の鳥の巣の中に卵を生んで、それを育てさせるというホトトギス(やカッコウなど)の生存戦略は、はたして効率がいいのか悪いのか、よくわからないところである。 |
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