巻四 |
0169 |
秋きぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる |
秋歌上 |
巻四 |
0197 |
秋の夜の 明くるも知らず 鳴く虫は 我がごとものや かなしかるらむ |
秋歌上 |
巻四 |
0218 |
秋萩の 花咲きにけり 高砂の 尾上の鹿は 今や鳴くらむ |
秋歌上 |
巻四 |
0228 |
秋の野に 宿りはすべし 女郎花 名をむつまじみ 旅ならなくに |
秋歌上 |
巻四 |
0239 |
なに人か 来て脱ぎかけし 藤ばかま 来る秋ごとに 野辺を匂はす |
秋歌上 |
巻五 |
0257 |
白露の 色はひとつを いかにして 秋の木の葉を ちぢに染むらむ |
秋歌下 |
巻五 |
0269 |
久方の 雲の上にて 見る菊は 天つ星とぞ あやまたれける |
秋歌下 |
巻五 |
0295 |
我がきつる 方も知られず くらぶ山 木ぎの木の葉の 散るとまがふに |
秋歌下 |
巻十 |
0422 |
心から 花のしづくに そほちつつ うくひすとのみ 鳥の鳴くらむ |
物名 |
巻十 |
0423 |
くべきほど 時すぎぬれや 待ちわびて 鳴くなる声の 人をとよむる |
物名 |
巻十二 |
0558 |
恋わびて うちぬるなかに 行きかよふ 夢のただぢは うつつならなむ |
恋歌二 |
巻十二 |
0559 |
住の江の 岸による浪 よるさへや 夢のかよひぢ 人目よぐらむ |
恋歌二 |
巻十二 |
0578 |
我がごとく ものやかなしき 郭公 時ぞともなく 夜ただ鳴くらむ |
恋歌二 |
巻十三 |
0617 |
つれづれの ながめにまさる 涙川 袖のみ濡れて あふよしもなし |
恋歌三 |
巻十三 |
0639 |
明けぬとて かへる道には こきたれて 雨も涙も 降りそほちつつ |
恋歌三 |
巻十七 |
0874 |
玉だれの こがめやいづら こよろぎの 磯の浪わけ 沖にいでにけり |
雑歌上 |
巻十七 |
0903 |
老いぬとて などか我が身を せめきけむ 老いずは今日に あはましものか |
雑歌上 |
巻十九 |
1013 |
いくばくの 田をつくればか 郭公 しでの田をさを 朝な朝な呼ぶ |
雑体 |
巻二十 |
1100 |
ちはやぶる 賀茂のやしろの 姫小松 よろづ世ふとも 色はかはらじ |
東歌 |