よどがは | 紀貫之 | |||
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「いかにせヨトカ ハるるときなき」という部分に 「よどがは」が入れられている。 「よどがは(淀川)」は現在の淀川と同じ(河口付近では現在の大川・堂島川・安治川)で、一つ前の同じ貫之の 460番の「かみやがは(紙屋川)」は桂川経由で淀川と合流するので、そのつながりと見えないこともない。 歌の意味は、山の近くにいると白雲が晴れる時がないように心が塞ぐ、いったいこの雲は私にどうしろと言うのか、ということ。歌の感じとしては、16番の「野辺近く いへゐしせれ」という歌や、216番の「秋萩に うらびれをれば」という歌を思い出させる。 "あしひきの" という枕詞ではじめ、 "白雲の" という言葉でもう一度起こして、その後ろに "いかにせよとか" と差し込んでいる。なだらかなうねりがよい調べとなっている歌である。 "いかにせよとか" という言葉を使った他の歌としては、恋歌四に次の読人知らずの歌がある。この貫之の覆い隠す 「白雲」に対して、そちらでは冷たく吹く 「秋(飽き)風」に合わせている。 |
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「白雲」を使った歌の一覧は 30番の歌のページを参照。 |
( 2001/08/12 ) (改 2004/03/14 ) |
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