題しらず | 凡河内躬恒 | |||
611 |
|
この恋は、どこへ向かうともわからず、その果てもわからない、ただ、逢うことを終着点と信じるばがりだ、という歌。 488番の読人知らずの歌に「我が恋は むなしき空に 満ちぬらし」という歌があり、その前半の調べだけではなく、「行く方もなし」/ "ゆくへも知らず" と言葉遣いもよく似ている。 「ゆくへ」という言葉を使った歌の一覧は 80番の歌のページを参照。 "あふをかぎりと 思ふばかりぞ" という 「かぎり」と 「ばかり」の合わせ方がよいリズムを生み出している。「かぎり」とは「限界・極み」ということで、それを使った歌の一覧は 187番の歌のページを参照。また、他に 「〜ばかりぞ」という言い回しを使っている歌としては、226番の遍照の「名にめでて 折れるばかりぞ 女郎花」という歌と、607番の友則の「ことにいでて 言はぬばかりぞ みなせ川」という歌がある。 |
( 2001/10/16 ) (改 2004/02/24 ) |
前歌 戻る 次歌 |