題しらず | 春道列樹 | |||
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"本末" とは弓の下(本)と上(末)のこと。木の根元が 「本」と枝葉の先が 「末」。腕を伸ばして弓を持ち、弦を引くとその両端がぐっと自分の方に寄ってくる、そのように引き寄せたい 「夜」ともなればいっそう恋心が増すことだ、という歌。 "まされ" は 「増さる」が 「こそ」の係り結びを受けて已然形になったものである。 単純に 「寄る−夜」の掛詞を使っているものには、665番の清原深養父の「みるめのうらに よるをこそ待て」という歌があり、次の藤原敏行の歌のように浪に合わせているものもある。 |
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「弓」と 「寄る−夜」という組み合わせでは、少し前の 605番の「おきふし夜は いこそ寝られね」という貫之の 「白真弓」の歌があり、「梓弓−引く−末」ということでは読人知らずの次の歌がある。 |
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また 「真弓−引く−末」としては、1078番の 「採物の歌」に「安達の真弓 我が引かば 末さへよりこ」という表現があり、おそらくこの列樹(つらき)の歌はそこからの発想であろう。 「弓」という言葉を使った歌の一覧は 20番の歌のページを参照。 「方」という言葉を使った歌の一覧は 201番の歌のページを、「〜の心」という言葉を使った歌の一覧については、651番の歌のページを参照。 |
( 2001/09/07 ) (改 2004/03/09 ) |
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