題しらず | 凡河内躬恒 | |||
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自分だけが逢えずにこんな悲しい思いをするのか、七夕の彦星でさえ逢えずに過す年はないものを、という歌。シンプルな譬えでわかりやすい歌である。 「かなし」という言葉を使った歌の一覧は 578番の歌のページを参照。 "すぐせる" は 「すぐせ+る」で四段活用の動詞「過ぐす」の命令形+完了・継続の助動詞「り」の連体形である。 「過ぐす」という言葉を使った歌には次のようなものがある。 |
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また、「逢えずに年を過ごす」という歌としては、473番の在原元方の「関のこなたに 年をふるかな」、 614番の同じ躬恒の歌にも「たのめつつ あはで年ふる いつはりに」というような歌がある。 「経(ふ)」と 「過ぐす」は、何かニュアンスの違いがありそうでもあるが、その差はほとんどわからない。 「経(ふ)」を使った歌の一覧については 596番の歌のページを参照。 |
( 2001/12/10 ) (改 2003/12/31 ) |
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