寛平の御時きさいの宮の歌合せのうた | 藤原敏行 | |||
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現代の語感からすると "こきたれて" という言葉は何か滑稽な感じを受けるが、これは稲などの実ををしごき落とす 「扱く(こく)」からきていて、「扱き垂る」一語で、涙が次々と落ちる様子を指すものであると言われている。 「垂る」は水滴が垂れるイメージであろう。この歌では後ろに "降りそぼちつつ" があるので、この 「垂る」は首を垂れてしょんぼりしている様子にとりたい気もするが、そういう含みは 「扱き垂る」自体にはないようである。 雑歌上に同じ 「こきたれて」が使われている次の坂上是則の歌があり、そちらは 「山田の稲」と合わせられているので、この敏行の歌より自然な感じがする。 |
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「こきたれて」の 「こく (扱く)」という言葉を使った歌の一覧は 56番の歌のページを参照。 また、この歌の一つ前には次の藤原国経の歌が置かれており、「明けぬとて」という言葉ではじまっている点が共通している。似たような詠い出しとしては、「老いぬとて」とはじまっている同じ敏行の903番の歌がある。 |
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( 2001/10/15 ) (改 2004/02/03 ) |
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