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       題しらず 紀友則  
668   
   我が恋を  しのびかねては  あしひきの  山橘の  色にいでぬべし
          
     
  • 山橘 ・・・ ヤブコウジ
  
この恋を隠しきれなくなっているので、このままでは 「山橘」の実のように目立って、世間にばれてしまうに違いない、という歌。

  ヤブコウジは冬に小さく赤い実をつける。 「山橘」が古今和歌集の中に出てくるのはこの友則の歌だけである。赤い実と葉っぱのイメージが、クリスマスに飾るクリスマス・ホーリー(西洋ひいらぎ:  English Holly )のようにも見える。 「しのぶ」という言葉を使った歌の一覧は 505番の歌のページを参照。

  "しのびかねては" の 「かね」は 「〜できない」というニュアンスを表す接尾語「かぬ」の連用形。
この 「かぬ」が使われている歌の一覧は 491番の歌のページを参照。また、「色に出づ」という表現を使った歌の一覧は 663番の歌のページを参照。

 
( 2001/10/11 )   
(改 2004/03/09 )   
 
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