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- おほかたは ・・・ 大体のところ (大方は)
- みなと ・・・ 川が海にそそぐところ (湊)
- うみべた ・・・ 海辺
- みるめ ・・・ 海草の名前 (海松布)
もう、自分の名も世間に出してしまおう、憂き世を嘆いたままでいても逢うチャンスは少ないから、という歌。わかりづらい歌であるが、海辺に海松布が少ないのなら舟刈りに行こうというイメージに合わせて 「もう自分の恋を隠すのはやめよう」ということを言っているようである。
ここでの "おほかたは" というのは、「細かいことは言わずに」というようなニュアンスと思える。 「おほかた」という言葉を使った他の歌については 879番の歌のページを参照。 "我が名" は、恋の浮名ということ。 "こぎいでなむ" の「なむ」は完了の助動詞「ぬ」の未然形と推量の助動詞「む」による連語で、連用形とつながって 「〜してしまおう」(let's〜) あるいは 「きっと〜だろう」という意味で、ここでは前者であろう。 「みなと」に 「皆と」が掛かっているかどうかは微妙なところで、薄く掛かっているとすれば 「他の皆と同じように」という感じか。 "世をうみべた" という部分には 「世を憂」ということが掛かっている。 「みるめ」を 「海松布−見る目(=逢うチャンス)」に掛けているのは、「みるめ」という言葉を使った他の五つの歌と同じである。
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