人をしのびにあひ知りてあひがたくありければ、その家のあたりをまかりありきけるをりに、かりのなくを聞きてよみてつかはしける | 大友黒主 | |||
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歌の意味は、昔のことを思い出して恋しい時には、初雁が鳴いて渡るように、私が泣き続けていると、あなたは知っているだろうか、ということで、逢うことはできないけれど、二人が共通して見て聞くことができる雁の姿を通して思いを一つにしよう、ということをあまり器用でない言い方で言ったものと考えられる。 「思ひ出づ」という言葉を使った歌の一覧は、その 148番の歌のページを参照。 「初雁」の歌としては秋歌上に次のような友則の歌がある。 |
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この友則の歌は 「漢書」(蘇武伝)の 「雁信」の故事を元にしていると言われるが、"人知るらめや" というこの黒主の歌ともどこか通じるものがあるようにも感じられる。 「人知るらめや」という言葉を使った歌の一覧については 485番の歌のページを参照。 「初雁」を詠った歌をまとめておくと次の通り。 |
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( 2001/12/03 ) (改 2004/03/09 ) |
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