題しらず | 藤原直子 | |||
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自分のせいだと声に上げて泣きはするけれど、世を恨むようなことはしません、という歌。 「藻」「音」「世」と一音の語を散らすことにより、歌のリズムが出ている。 "藻にすむ虫の 我から" とは 「割殻(ワレカラ)」という虫(甲殻類)のこと。ただし、意味的には 「藻にすむ虫(ワレカラ)が−鳴く」とはつながりづらいので、ここの 「ね」は 「海人の刈る藻→根がない→音をなく」ということだろうか。 「音に鳴く」という表現を使った歌の一覧は 150番の歌のページを参照。 「海人の刈る」には 「相手が離る(かる)」が掛けられていて、 "世をばうらみじ" には、次の読人知らずの歌などと同じように 「海人」の縁語で 「浦」が掛かっていると見ることができる。 |
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つまり、あなたが離れていって独りで住む私は頼るものもなく、声を上げて泣きますけれど、二人の関係を後悔するものではありません、というような感じか。また、作成時期の前後は不明だが、「海人の刈る藻」を 「思ひ乱る」に合わせた次のような歌もあるので合わせて見ておきたい。 |
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「〜こそ〜をば」というかたちを持った歌の一覧は 278番の歌のページを参照。 |
( 2001/11/15 ) (改 2004/03/09 ) |
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