題しらず | 読人知らず | |||
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"沖つ潮あひ" という表現が妙に具体的で面白い。陸地が見えず漂っている感じで、漠然とした不安感を海の広さと深さで表わしているような感じがする。 「よるべなみ 身をこそ遠く へだてつれ」という 619番の歌が思い出される。 "寄る方もなし" の「方」という言葉を使った歌の一覧は 201番の歌のページを参照。 "消えぬものから" は「消えないけれど」という逆接で、次の在原元方の歌での 「あらぬものから」と同じ使われ方である。 「ものから」という言葉を使った歌の一覧は 147番の歌のページを参照。 |
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「わたつみ+泡」という歌には次の伊勢の歌があるが、こちらは言葉の流れの勢いで 「泡と浮く袖」と出したように見えてイメージがややつかみづらい。涙で濡れる一方で、押さえながらも浮ついてしまう気持ちを、空気を含んだ浮き袋の感じで表わしたものか。 |
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また、「沖へ」の解釈が微妙だが、「沖」「寄らない」ということでは次の読人知らずの歌も一緒に見ておきたい。 |
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( 2001/10/18 ) (改 2004/03/09 ) |
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