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- わたつみ ・・・ 海の神
- かざし ・・・ 綺麗な花などを折って髪に挿すこと (挿頭)
- 白妙 ・・・ 白い色
- ゆへる ・・・ 髪を結っている
歌の意味は、海神が、かざしとする白い波で、髪を結って飾っている淡路島よ、ということ。動きがあって、美しいイメージの歌である。 "わたつみ" は、海自体を指すこともあるが、ここでは本来の海を神格化した 「わた(海)+つ(の)+み(神霊)」と解釈されるのが一般的である。 "淡路島山" は淡路島を山と見たものと言われる。
「ゆふ」という言葉には 「結ぶ・めぐらす・巻く」という意味があり、 1070番の 「ふるき大和舞のうた」でも 「しもとゆふ かづらき山に」というように使われている。この歌の場合も、本居宣長が「古今和歌集遠鏡」の中で 「マツ白ナ浪デ グルリトトリマハシテ テウド帯ヲシタヤウナ」と訳しているように、「白い波を帯のようにめぐらせている」と見る説もあるが、その前で 「白妙の浪」を 「海神が挿すかざし」としているので、それをぐるっとめぐらす、というのは、まるで海神の頭の上に淡路島が乗っていて、海神の頭飾りが淡路島の腰巻になっているようで、どうもイメージが悪い。
そこで、ここでは 「海神の頭飾りをちょっと借りて、それで髪をまとめている淡路島」という見立てと見ておきたい。他に "かざし" という言葉を使った歌には、次の二つの貫之の歌がある。
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