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古今和歌集の部屋
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巻十七
布引の滝にてよめる
在原行平
922
こき散らす 滝の白玉 拾ひおきて 世の憂き時の 涙にぞかる
こき散らす ・・・ 振り落として撒き散らす
詞書にある 「布引の滝」は兵庫県神戸市中央区葺合(ふきあい)町にある布引雄滝・夫婦滝・瀧鼓滝・布引雌滝の四つの滝の総称。歌の意味は、
滝が白玉のように撒き散らす水滴を拾い集めておいて、世の中が辛い時の涙用に借りよう
、ということ。 "拾ひおきて" という言葉が歌を引き締める効果を持っている。
「こき散らす」という言葉は
1005番
の躬恒の 「冬の長歌」でも 「玉の緒とけて
こき散らし
」と霰(あられ)が降る様の譬えとして使われている。 「こく (扱く)」という言葉を使った歌の一覧は
56番
の歌のページを参照。
( 2001/12/04 )
(改 2004/02/03 )
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