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       題しらず 大江千里  
1065   
   白雪の  ともに我が身は  降りぬれど  心は消えぬ  ものにぞありける
          
        白雪が降るように我が身も古くなってしまったが、雪が消えるようには心は消えないものなのだな、という歌。 「降る−古る」を掛けている。

  「ともに」という言葉が少し気になるが、これは恋歌三にある 621番の読人知らずの歌が 「白雪」を引き合いに出して「我さへともに けぬべきものを」と言っているのと合わせて見るとわかりやすい。 「雪は降るもの、消えるもの」という発想からの歌で、「白雪」はまた、白髪のイメージを表しているのであろう。 875番の「心は花に なさばなりなむ」という歌も連想される。

   「〜にぞありける」という表現を使った歌の一覧は 204番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/06 )   
(改 2004/03/09 )   
 
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