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       寛平の御時きさいの宮の歌合せのうた 藤原興風  
101   
   咲く花は  ちぐさながらに  あだなれど  誰かは春を  うらみはてたる
          
     
  • ちぐさ ・・・ さまざま (千種)
  • あだ ・・・ 移ろいやすい、無益な (徒)
  藤原興風は生没年不詳。900年相模掾、904年上野権大掾、914年下総権大掾。古今和歌集にはこの歌を含めて十七首が採られている。

  
咲く花はどれもこれもはかないものではあるが、だからと言って誰が春という季節を心から恨むことができようか、という歌。 "うらみはてたる" という言葉が効いていて、恨むことはあるが、恨みきれないという気持ちの揺れをうまく表わしている。

  春歌の中で 「うらむ」という言葉を使っている歌には、76番の素性法師の「我に教へよ 行きてうらみむ」という歌と 106番の読人知らずの「吹く風を 鳴きてうらみよ」という二つの 「風」の歌と、次の 
「散る花」について言っている読人知らずの歌がある。

 
112   
   散る花を    何かうらみむ   世の中に  我が身も共に  あらむものかは
     
        「あだ」という言葉を使った歌の一覧は 62番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/06 )   
(改 2004/02/24 )   
 
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