題しらず | 読人知らず | |||
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「ものゆゑ」という言葉は 「〜だけれど」という逆接の意味と、「〜だから」という順接の意味のどちらにも使われる。この歌の場合、 "来ぬものゆゑに" という部分はどちらに解釈しても、なんとなく意味が通ってしまうので判断が難しいが、(A)の逆接と見た方が自然か。 (A) 「来ないのに」とした場合 (逆接) 待つ人が来るあてもないのに、ウグイスが楽しそうに鳴いていた梅の枝を折ってみました。 けれど、そんなことをしても無駄なこと。折った梅の枝を挿した花瓶がポツンと置いてある。 (B) 「来ないから」とした場合 (順接) 待っている人が来ないので、ウグイスが楽しそうに鳴いていた梅の枝を折ってみました。 けれど、こうして花を飾ってもウグイスのようにあの人が来てくれるわけもない。ただウグイスに 意地悪をしてみたかっただけなのか、と自己嫌悪する。 「ものゆゑ」という言葉を使った歌の一覧は次の通り。前に否定の助動詞「ず」があるとややこしいが、これらの歌はすべて逆接として使われていると思われる。似たような順接/逆接の判断がわかりづらい言葉に、147番の 「ものから」、19番の 「なくに」などがある。 |
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また、この 「うぐひす」の歌は春歌下にあって、次の読人知らずの歌の伏線のようになっている。 |
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そして、この歌では 「花」を梅に特定してはいないが、「うぐひす−梅−折る」という明示的な歌としては、春歌上に次の二つの歌がある。 |
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( 2001/09/05 ) (改 2004/03/11 ) |
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