題しらず | 紀貫之 | |||
587 |
|
「淀」という京阪本線の駅がある。 古今和歌集の中で他に "沢水" という言葉を使った歌はないが、次の忠岑の 「かたの」の物名に 「沼水」を使ったものがある。 「交野(かたの)」は現在の大阪府枚方市・交野市のあたりで、淀川に注ぐ天野川が流れていて、淀川にも近い。 |
462 |
|
|||||
雨が降って増水するということでは、829番の小野篁の「泣く涙 雨と降らなむ わたり川」という歌が有名である。この貫之の歌では(少なくとも表向きは) 「涙」が増さるという方向には持っていっていないが、617番の藤原敏行の「つれづれの ながめにまさる 涙川」という歌に通じるようなところもある。また、「雨に想う恋」ということでは 616番の業平の「春のものとて ながめくらしつ」という歌も思い出される。 |
( 2001/11/26 ) (改 2003/12/29 ) |
前歌 戻る 次歌 |