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古今和歌集の部屋
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巻十二
題しらず
凡河内躬恒
600
夏虫を 何か言ひけむ 心から 我も思ひに もえぬべらなり
心から ・・・ 自ら
火に自ら飛び込んで焼かれる夏虫のことを馬鹿にしていたが、今や私も自分から飛び込んだ恋の「思ひ」に身を焼かれている
、という歌。 "何か言ひけむ" とは抽象的でわかりづらいが、バカな虫だと嘲笑ったか、という感じだろうか。説話・物語的に言えば、その身が虫にすり替わってしまったというお話のようにも見える。ちなみに古今和歌集の中で 「夏虫」のことを言っている歌は他には、
544番
の読人知らずの歌と
561番
の友則の歌だけである。
"心から" という言葉は、同じ躬恒の
608番
の歌にある「
我が心から
見つるなりけり」と同じニュアンスであろう。この歌と同じく単体で使われている例としては、
422番
の藤原敏行の 「うぐひす」の物名の歌に「
心から
花のしづくに そほちつつ」というものがある。 「べらなり」という言葉を使った歌の一覧については
23番
の歌のページを参照。
( 2001/11/15 )
(改 2004/01/06 )
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