Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻十二

       題しらず 壬生忠岑  
601   
   風吹けば  峰にわかるる  白雲の  絶えてつれなき  君が心か
          
     
  • 絶えて ・・・ まったく
  
風が吹くと峰から離れてゆく白雲のように、まったくつれないあなたの心であることか、という歌で、白雲に寄せてよそよそしい素振りの相手を嘆いている。 "絶えて" は 53番の業平の「世の中に 絶えて桜の なかりせば」という歌の 「絶えて」と同じ使い方と見てよいだろう。二人の間の連絡が 「絶ゆ」ということに掛けているという説もある。

  恋歌ではないが、この歌とは逆の状態の 「白雲」を言った 945番の惟喬親王(これたかのみこ)の「白雲の 絶えずたなびく 峰にだに」という歌と並べて見るのも面白い。 「白雲」を使った歌の一覧については 30番の歌のページを参照。

  古今和歌集で詠われている 「つれなき人」の歌の一覧は 486番の歌のページを、「風吹く」という言葉を使った歌の一覧については 671番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/06 )   
(改 2004/02/26 )   
 
前歌    戻る    次歌