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- 下草 ・・・ 木陰などに生えている雑草
- 駒 ・・・ 馬
- すさめず ・・・ 好まず
大荒木の森の雑草が生い茂れば、そんな場所は馬も好まず、刈りに来る人もいない、という歌。 「生いぬれば」と 「老いぬれば」を掛けている "大荒木" は地名かどうかは不明。一般的には「大殯」(おほあらき:=天皇などの遺体を葬儀まで安置しておく場所)ではないかとされている。
この歌には 「または、さくらあさのをふの下草」と左注が付いている。 「さくらあさ」は 「桜麻」で麻の一種とも続く 「をふ」の枕詞とも言われ、「をふ」は 「麻生」で麻の畑のこと。 「さくらあさのをふの下草」という言い回しは、語感的には 505番の 「あさぢふの 小野のしの原 しのぶとも」という歌に少し似ている。
「刈る」という言葉は次の兼芸法師の歌のように 「刈る−離(か)る」と掛けられることもあり、「かりにくる」ということでは 972番の「かりにだにやは 君がこざらむ」という読人知らずの 「うづら」の歌では 「狩り」と 「仮」が掛けられているが、この 「大荒木」の歌では特にそういうことは掛けられていない。単に人も寄り付かないということの譬えのようである。
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