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- 門させり ・・・ 門を閉ざしている
- いでがてに ・・・ 出ずらく
この浮世では、門を閉じているわけでもないのに、どうしてこの身は出ずらく思えるのか、という歌。シンプルな歌だが曖昧さがある。
「門」を閉じているのは誰か。 「うき世に門させり」ということであれば、作者であるが、「には」とあり 「見えなくに」とあるので、「誰かがうき世で門を閉じているようには見えないが」ということのようである。つまり詞書から直感される蟄居の状態を直接言ったものではないと考えられる。自分の周りの見えない門がすべて閉じているような感じを詠ったものであろう。
"いでがてにする" (=出ずらくなっている)ということについては、思うように出世ができない、宮仕えができない、外出ができない、旅に出られない、出家できない、などが考えられるが、歌の情報だけからはどれと特定することはできない。 "我が身" が思うように行動できないということを 「つかさとけて侍りける時」の 「うき世」の状態であると詠っているものである。 「がてに」という言葉を使った歌の一覧はに 75番の歌のページを参照。
貞文が解任されていた時期はいつであるか不明であるが、続く次の歌も同じ詞書のもとにまとめて置かれている。
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