題しらず | 紀貫之 | |||
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"染める" は「染め+る」で、四段活用の 「染む」の命令形(または已然形)+完了の助動詞「り」の連体形である。下二段活用の 「染む」の連体形である 「染むる」との違いは、四段活用の 「染む」は自動詞で 「色が付く」、下二段活用の 「染む」は他動詞で「色を付ける」。よって、「時雨の雨が染める」ではなく 「時雨の雨によって紅葉の色が染まる」ということになる。 「時雨」を詠った歌の一覧は 88番の歌のページを参照。 また、「雨−笠−山−紅葉」を詠った歌としては、秋歌下に次のような忠岑の歌がある。 |
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この忠岑の歌も最後の 「てる」が 「もみぢ葉が袖を照らす」のか 「もみぢ葉で袖が照る」あるいは 「もみぢ葉も袖も照る」のかわかりづらい。ただこの場合は四段活用の自動詞の 「照る」しかなく、他動詞の場合には 281番の読人知らずの歌のように「夜さへ見よと 照らす月影」となるので、「もみぢ葉が袖を照らす」ということはないだろう。 同じ 「笠」という名前が付いている山だが、「笠取り山」は現在の京都府京都市伏見区にある醍醐山であり、「三笠の山」は現在の奈良県奈良市春日野町にある春日山 (別名:御蓋(みかさ)山)である。 「三笠の山」は406番の安倍仲麻呂の歌でも次のように詠われている。 |
406 |
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( 2001/12/18 ) (改 2004/02/26 ) |
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